2010年7月23日金曜日

超簡単なストックオプションと制限付き株式の話(1)

社会人になって約四ヶ月。
いわゆるITスタートアップ(ベンチャーというよりなんだかイケテルっぽい)と言われてる会社に入り、
先月退職(はやいねーうん。)したわけですが、
今日はその中でちょろりと学んだスタートアップの報酬について書き書きしたいと思います。

「俺は成長したいから絶対ベンチャーだぜ!」
と思ってる人にも、ちょいと知ってて困る事ではないと思うのですです。
なぜかというと、
「すとっくおぷしょん」って言葉は、
ベンチャーの報酬体系によーく使われる、「なんだか儲かりそうな言葉」だからです。

本当に儲かるのでしょうか?
儲かるとしたらどういうケースで儲かるでしょうか?
儲からない場合はどんな場合なのでしょうか?
なんてことをつらつら書いてみます。

※ちなみに私は所謂ブロガーではないので、ぶっちゃけ読みにくかったりわけわかめだったりするかも知れません。
悪しからず。頑張ります。

ストックオプションとは


wikiさん曰く、

ストックオプション(英: stock option)とは、本来は新株予約権と同義であるが、特にカタカナで「ストックオプション」と書く場合には、会社(企業)の役員や従業員が、一定期間内に、あらかじめ決められた価格で、所属する会社から自社株式を購入できる権利(英語で言うemployee stock option)を指す。
株価が上がれば上がるほど、従業員や役員が得られる利益も大きくなるため、業績に貢献した役員らのボーナス(賞与)として利用する企業が多い。


という事なのですが、あまりに実感が沸かないので、うらら的な馬鹿でも分かる(りそう)な言葉で言うと、

「株価は当然上がったり下がったりするわけだけど(上場会社の場合)、
ストックオプションがあれば、X円でいつでもこの会社の株を買ってもいいんだよ!、っていう権利」

の事を言います。

例えばAという会社の株価が、現在
1株=10万円
だとします。

「あ、俺去年会社から
『1株=5万円』
 で株を買える権利を貰ってたんだ!何株買えるんだったかなぁ。。。
 お、20株!!っていう事は…」

と思いだした従業員A。
つまり、

本当は10万円もするもの(現在)を、
5万円で、
20個まで買える権利

を彼は持っているので、
100万円を使って20株手に入れて、すぐそれを市場で売れば、
20株×10万円=200万円 で、
100万円の利益になります。

当然従業員Aは喜びます。
ボーナスみたいなもんですからね。
ハワイでにでも家族旅行に行くんじゃないでしょうか。

このストックオプションという制度は、
このようにあらかじめ決められた価格で株を購入出来る権利を指し、
多くの外資系企業やIT企業、wikiさん曰く大和証券さん等の大手金融等で
優秀な人材を集める為のツールとして役立てられています。
また、まだ未上場のベンチャー企業等でも、上場益を見越した上でこのストックオプションという制度が広く導入されています。
ちまちましか動かない上場企業の株価よりも、上場する時に
どかあああああああああああんと(例えば100倍とかね)跳ね上がる株のストックオプションの方が、なんだかおいしそうじゃありませんか。

はい、ここまでがストックオプションの簡単な説明。
きっと社会人なら誰でも知ってる事なので、
なんだか説明する方が恥ずかしいですね。
うららは社会人になってからやっと知りました。(恥)



ストックオプションってすげーってマジ?


確かに、世の中にはこのストックオプションで猛烈に(強烈に)お金持ちになった人がたくさんいます。
某Googleの初期からいたコックさんは、この制度によって世界で二番目にお金持ちのコックさんになったらしいですし、
世界の大企業のCなんらたらO(CEOとかCTOとか)は、現金所得のうん10とかうん100倍くらいの割合でオプションからの利益を得ているようです。
うん千万ドルとか、凄まじいですね。(それこそeBayとかoracleとかそういうレベルですが)

でも、ストックオプションてそんなにすげーのでしょうか?
最近ソーシャルアプリ業界なんかでも
「プラットフォーム(GREEやmixi、DeNA)よりも凄い時価総額で上場する事も不可能ではない」
なんて言われちゃって、俺たちもITスタートアップとして上場して世界に出るぞー!
みたいな気運が凄く高まっています。
ともすると、当然、
上場した時にもの凄い利益が出るストックオプションに
「なんだかおいしそうな匂い」
が漂います。

でも本当においしい事ばかりか、というとそうではありません。
そこを十分に理解して、自分の報酬体系を考えてみて欲しいと思います。

ストックオプションは、先ほども記述した通り、
株価を一定の額で購入が出来、(行使する、と言います。英語ではexerciseと言います。)
それを株価が上昇した時に売却する事で利益を得ます。

つまり、

1)(上場企業の場合)株価が上昇しないと利益にならない。
※行使して(お金を払って株を手に入れて)、売却しても、損になってしまうので行使しない。よって価値は0。
2)(未上場の場合)上場しないと紙キレ
※市場でしか売り買いが出来ないので、市場に上場していないと全く価値が無い。


という負の側面を持ち合わせています。

日経とかちょっと読んでる偉い学生さんは、はっとしたんじゃないでしょうか。
上場企業で、ガンガン株価が上がっている会社はそうそう多くないです。
上がってても、「ちまっちまっ」と上がったり、時に下がったりを繰り返しています。
日経平均がああああああとかよくテレビで言ってますが、現在そんなに株価がバブっていう企業は多くありません。
ソーシャルアプリという、金脈と呼ばれている業界でも、先日GREEさんの株価が下がったというニュースが話題になりました。

未上場企業に至っては、これは本当に博打の何者でもありません。
日本ではライブドアの一件以来、特にIT企業の上場は非常に困難になったと聞きます。
またアメリカは特に上場条件が厳しく、特にIT関連の条件は大変厳しいものです。
リーマンショックが記憶に新しいですが、あのような惨劇を繰り返さないためにも、市場はより、長期的に安定して成長する株を求めています。
その中で、競争が激しく参入障壁の低いIT業界は上場が難しい。
なので、ストックオプションに期待を寄せすぎると、とても辛い事になります。

一番あってはならないと思うこと。


それは、未上場企業など、経営陣が「出来れば従業員の給料は抑えられるだけ抑えたい」と思ってるようなところに入社した時に、「うちで頑張れば数年後にはお金持ちになってるから」といってストックオプション等をちらつかせ、給料をどこまでも下げていく事。
あるいは、お金よりも経験が重要だから、とかなんとかいって、せっかく責任重大な仕事を任せられたにも関わらず、給料は変わらず責任ばかりが大きくなり、さらにその成功報酬がストックオプション頼り等というケース。
そんな酷いところはそんなに無いかもしれませんが、無くはないケースという事には変わりありません。
同様に、投資家にたくさんの資金を頂いて起業した社長や創業メンバーにも同じ事が当てはまります。
ストックオプションは貰って良いものですが、しかしそれを理由に給与を下げまくられると、大変に苦しい思いをすると思うので、これは是非避けたいものです。
あくまで博打である面を忘れずに。

そんな中で、 もしもストックオプションで一攫千金を狙っているのであれば、 あなたが入ろうしているベンチャー企業が本当に上場出来る程の潜在能力を秘めているのか、よく話を聞いて、社長の力量や従業員のスキル、モチベーション等を見て判断する必要があるでしょう。(それで分かるかって言われると難しいとこですが。)
プラス、自分がそこで働く事でたくさんストックオプションを出すだけの実力がある、努力をする、というのが前提になってきます。

(ぼやき:でもそういうボーナスも何にもなしに役職だけわたされてがんばってねー!って言われて妙な責任感とモチベーションにかられてしまってる人もたくさんいるのです。その場合は、経験だ!と思って喜ぶのが一番良いかもしれません)

こんなところが、
しばしばベンチャーに就職する事が、
「株を買うのと似た様なもの」
と言われる所以かもしれません。
まぁ自分の努力によって報われる可能性もある部分が大きく違いますが、
本質的には似た様な側面を持ち合わせています。
現金と株の配分とかね。


お金の話は興味ない?
でもそんなことも言ってられないですよ奥さん!

なんせ、
ある世代が生涯に政府から受け取る利益と支払う負担を試算したら、
60歳以上の世代は差し引き5,647万円の受益超過
30代は負担のほうがが743万円多く、
20歳未満の世代は負担超が 3,952万円なんですよ。
今の20代、30代は親世代が作った莫大な国と地方の借金を背負い、年金も払った分を貰えない。

ちょっとは色々知ってて損は無さそうです。


では次回は、
ストックオプションとの比較で
「制限付き株式」なるものをまとめてみたいと思います。


実は十分成長した企業では最近こっちを報酬プランにするところが増えています。
こちらに関しては次回。

じゃば!

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